photo by tina
鎌倉の路地裏に咲く美しい百合を見ると、「卒業」という言葉を思い出します。
「卒業」
辞書には下記のように書かれています。
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1 学校の全課程を学び終えること。
2 ある段階や時期を通り過ぎること。「ボウリング通いはもう―した」等
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1 についていえば、終了書などが発行されるため、その過程を終えたことが明確になります。
しかし、2 については、どうでしょうか。
つまり、自分でその段階や時期を終えたと言っただけのことであって
終了書をいただけるレベルまで行ったわけではない。
ただの一過性のものを終えたという意味での卒業です。
例えば、私の仕事には、終わりがありません。
今もこれからも。
卒業があるとすれば、人生の最期かもしれません。
父は、大輪のカサブランカが大好きな人でした。
葬儀の際、祭壇は真っ白なカサブランカの花のみが飾られました。
今も白い百合を見ると人生の卒業を感じるのは
そういう理由なのかもしれません。
白い百合・・・そこに余計な色はひとつもありません。
まるで「その道をまっすぐに進みなさい。」
そう父に言われているようで、背筋が伸びるのです。
ティナ
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