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photograph tina 

父の月命日は、急用ではない限り仕事をお休みすると決めています。
今朝は、しとしと雨の降る中、ほんの少しの江ノ電の旅・・・

父の好きな色は、ペール・ライラック
柔らかな紫色が好きな人でした。
今日は、その色の花束を持って、
父のお墓に手を合わせて来ました。


雨の境内は、この色のお花がたくさん咲いていて
雨に濡れたその姿は、より柔らかさを増していました。


母が、当時は珍しいこの色の
春色コートを着ていたのですが
わたしが大人になってから、
それは、父の好みだったからオーダーしたものと知りました。
そういえば、父が亡くなってから
母はこの色をすっかり着なくなってしまいました。
いつかそっと、母がご機嫌な時にその理由を、聞いてみようと思います。

色白の母には、この色はとても似あっていて
「わたしは、この色を着たお母さんが好きよ」
と、一緒に伝えてみようと思っています。


境内に咲いていたその色のライラックの傍らで
花言葉の「想い出」を感じた日。


月に一度、手を合わせることで、家族の記憶が蘇ります。
それは、そこに表れた色や香りを
もっともっと大切にしようと思う日でもあるのです。



ティナ

【書籍出版のお知らせ】

移りゆく鎌倉の四季とともに
そこに暮らす女性たちの成長の物語